当院の骨粗鬆症治療の特徴として

・当院では大学病院、研究機関で使用される世界で最も信頼されている米国Hologic社製の骨密度測定装置を導入、腰椎、大腿骨頚部でDEXA法にて骨密度を測定しており、より信頼の高い、高精度な骨粗鬆症の画像検査が可能です。

・骨粗鬆症は自覚がないまま進行することが多く、骨折してからですと寝たきりや施設入所などQOLを著しく損なうことから、予防が重要です。特に50歳以上、閉経後の女性の方や、年齢を問わず関節リウマチ、膠原病、糖尿病、甲状腺疾患の方、他ステロイド、抗てんかん薬、メトトレキサート、ワルファリン内服中の方は定期的な骨粗鬆症対策検査を行い、予防に備えることが重要と考えます。当院ではより質の高い骨粗鬆症治療を可能としております。

骨粗鬆症とは?

・骨粗鬆症は「骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義されます。要は骨の密度が低下して“スカスカ”になってしまい、骨折しやすくなった状態をいいます。寝たきりや施設入所など「不動化(immobility)」のリスク因子であり、死亡の相対リスクを上昇させ、大腿骨近位部骨折では10%が一年で死亡するとされます。

骨粗鬆症の分類

骨粗鬆症は大きく原発性と続発性に分けられます。

①原発性骨粗鬆症

・原発性は、閉経や加齢によって起こる骨粗鬆症です。また、妊娠によって起こる骨粗鬆症も含まれます(妊娠後骨粗鬆症)。
・閉経後骨粗鬆症は原発性骨粗鬆症のなかでも、女性において、女性ホルモンが低下することによって起こる骨粗鬆症を「閉経後骨粗鬆症」といいます。
・加齢による骨粗鬆症は加齢に伴い、腸からのカルシウムの吸収が低下し、また、女性ホルモンの低下により尿に出ていくカルシウムの量が増えるため、高齢になるとカルシウム不足をきたしやすくなります。一方、年をとると日光に当たることが少なくなる方が多く、栄養不足などにより、カルシウムの吸収に関わるビタミンDも不足しやすくなります。これらによって骨密度が低下します。男性も、女性ほど急激ではありませんが、加齢に伴い骨粗鬆症をきたします。

②続発性骨粗鬆症

・骨に悪影響を与える病気や薬の投与など、骨粗鬆症をきたす原因がある場合、続発性骨粗鬆症といいます。続発性骨粗鬆症の原因として、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)、性腺機能低下症、クッシング症候群などの内分泌の病気や、関節リウマチなどがあります。これらに加えて、近年、コントロール不良の糖尿病、慢性腎臓病(chronic kidney disease : CKD)、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease : COPD)といった生活習慣病が骨粗鬆症の原因となることが明らかになりました。薬剤としてはステロイド、抗てんかん薬、メトトレキサート(免疫抑制剤)、ワルファリンやヘパリン(血をサラサラにする薬)などがあります。

骨粗鬆症の診断

・日本では、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」の診断基準が使われています。
・問診、身体所見、X線検査、骨密度、骨代謝マーカーにて診断していきます。

上記以外でも、骨質の良し悪しなどを総合的に判断して骨粗鬆症の診断は行われます。